画像:Flirtey公式Twitterより引用

最近は「ドローン」という言葉を耳にすることが、より増えてきたのではない。SAIBOTECHでも、ドローンは何度か紹介している通り、災害時の活用が期待できるテクノロジーのひとつだ。

ドローンの災害時の活用方法としては、災害地へ救援物資の配送や、災害現場の視察による情報収集などがあげられる。今回はその中で、ドローンの物資配送についての事例を紹介する。

「Flirtey」- 完全自律飛行型ドローンで救援物資を配送

Flirtey」は独立系ドローンを開発するアメリカの新興企業だ。2016年、米連邦航空局(FAA)認可の完全自律飛行型ドローンで、アメリカの都市環境で荷物配送を初めて成功させたことで話題になった。ただし、米連邦航空局の厳しい規制では、人が多くいる場所の上空では飛行は許可されていない。そのため、実際は住人のいない住宅地に似た環境での実証実験だったようだ。しかし、都市環境でドローン配送を初めて成功させた事例である。

そのときの荷物は、水や食料品など以外に配送応急処置キットも含まれていた。また、この実験時のドローンは障害物回避と追尾機能も強化されており、災害現場での救助活動や緊急対応についても検証していたという。日常だけでなく、災害時での活用も強く意識していることが分かる。その後、1,600万ドルの資金調達に成功しており、今後の実用化が期待される。

Amazonのドローンによる商品配送サービス「Prime Air」。さらに「最速配達」も構想中!?

画像:Amazon.comより引用

「アマゾン」は2013年にドローンでの商品配送を実現すると発表し、そのわずか3年後にイギリスで配送実験を成功させている。「Prime Air」最初の民間テストで、飛行時間は13分だった。規制の問題で実用化はまだだが、技術的には実現が可能なレベルまできているとのことだ。

さらに、「アマゾン」は、ドローン配送だけでなく、ドローンと飛行船を組み合わせた「最速配達」を構想していることが特許申請書類によって分かっている。「空の倉庫」として商品を飛行船に積み込み、空中からドローンで数分以内に注文者へ届けるというものだ。

「空の倉庫」として商品を飛行船に積み込み、空中からドローンで数分以内に注文者へ届ける。1930年代に米国で使われていた小型戦闘機を飛行船に積み込んで燃料を節約する「飛行空母」の物流版ともいえるアイデアで、都市部での大規模販促への活用を想定している。

(中略)

例えば、都市部の上空を巨大な広告付き飛行船を飛ばす。キャンペーン中の決まった時間だけ高度を600メートル程度に下げ、その下にいる多数の注文者に商品を数分以内にドローンで一気に届ける。大規模なイベント中に飛行船の倉庫内で調理した食品をすぐに配達することも検討している。

アマゾン、飛行船+ドローンで「最速配達」構想 より引用

数分以内という短時間で、一気に大量の物資を配送することができるというアマゾンの「最速配達」。これが実現すれば、被災地で車両での配送が困難な場所でも、短時間で多くの救援物資を運ぶことが可能になるのではないか。

日本国内でも災害時のドローン活用が進む!?

11月7日、「ソニー」と「ZMP」の共同出資する「エアロセンス」が、ドローンを使った災害時の物資輸送事業を来年度中にも開始すると発表した。「ZMP」は自動運転技術を手がけるベンチャー企業である。この事業では、災害時に物資の輸送に時間がかかってしまう、離れた地域(離島など)でのドローンの活用を想定している。

また、「NTTドコモ」は「物資」ではないが、「携帯電話サービス (電波) 」をドローンで運ぶサービス「ドローン中継局」の開始を目指している。ドローンを利用し、災害時に利用できなくなってしまう携帯電話サービスエリアを救済するのが目的だ。5月に群馬県吾妻郡長野原町での実証実験に成功している。2017年度下期には、地上の電源と接続した実験を行い、連続24時間運用の実現を目指しているという。こちらも実用化が期待されるサービスのひとつだ。

ドローンはまだ開発途上で、遠距離・長時間飛行のためのバッテリー問題や、飛行が可能な天候や時間帯が限られるなど、技術面の課題は多い。また、航空法改正によりドローンの飛行ルールの導入や、操縦者の技能向上のための講習の公認制度導入するなど、安全対策面での課題もある。

ドローンは災害時や買い物だけでなく、空撮や農薬散布など多くの場面で活用が期待されている。課題はまだあるが、少しずつ克服されてきているのは確かだ。災害時だけでなく、私たちの日常生活も豊かにしてくれるに違いないドローン。今後もドローンの進化から目が離せない。