いま日本には緊急時のトイレが圧倒的に不足しているのをご存知だろうか。

災害時、避難所で過ごす人の50人に1つトイレが必要になる。しかし東日本大震災では避難者数は約40万人にもなり、トイレの数が足りていない状況だった。

これから起こると予測されている首都直下型地震では避難者数は700万人におよぶと予想されている。南海トラフ地震では950万人にもなるそうだ。これでは確実にトイレは不足する。

そこで、公益社団法人助けあいジャパンは、災害派遣トイレプロジェクト「みんな元気になるトイレ」を推進している。

「みんな元気になるトイレ」プロジェクトの仕組み


「みんな元気になるトイレ」プロジェクトは以下のように3つの流れを経ておこなわれる。

①購入資金を集める

まずは、住民や出身者を中心に、全国からトイレトレーラーの購入資金を募る。ふるさと納税の寄付金控除制度が活用できるため、少ない負担で支援が可能になる。

②各自治体がトイレトレーラーを購入

集まった寄付により各自治体で一台ずつトイレトレーラーを購入・管理する。トイレトレーラーの車体には、自治体名に加えて、支援者や支援企業の名前が印字される。

③緊急時は被災地に駆けつける

常に自治体の防災・災害支援担当者間で連携をとっておき、大規模災害が発生した際は、近隣の自治体を中心に全国からすみやかに駆けつける。

また、平常時には、地域のお祭りなどのイベントや防災訓練などで、仮設トイレとして利用することもできる。

トイレトレーラーの3つの特徴


「みんな元気になるトイレ」プロジェクトのトイレトレーラーは、「災害時の利用」を想定して企画・設計された、新タイプの移動設置型トイレトレーラーである。その特徴は主に3つある。

①快適に使える

4つの広々とした個室に洋式便座が配置されており、お年寄りはもちろん、小さな子ども連れの方は2人で一緒に入ることもできる。換気扇や清掃用の排水口なども配備され、長期の使用でも衛生状態も維持できる。

②すぐに使える

トイレトレーラーは、牽引車さえあれば少ない人手でどこにでも移動ができる。給水タンク、汚水タンクを備えているため到着後すぐに使用することが可能だ。

③長く使える

トイレトレーラーには外部電力との接続が備わっている。加えてソーラーパネルからの太陽光充電もできる。そのため、数ヶ月におよぶ避難生活でも使い続けることができる。

「みんな元気になるトイレ」プロジェクトの実績


静岡県富士市ではクラウドファンディングで目標金額を達成し、すでにトイレトレーラーが導入されている。先日の西日本豪雨の際には、富士市は大きな被害を受けた岡山県倉敷市にトイレトレーラーを派遣し、倉敷市民の避難生活を支えた。地域主催のイベントでは仮設トイレとしても活躍しているようだ。

また愛知県刈谷市でもクラウドファンディングで資金を募り、すでに目標金額を達成した。

現在2018年8月時点では、静岡県西伊豆町がクラウドファンディングを行っているところだ。

助けあいの輪を広げよう


「みんな元気になるトイレ」プロジェクトの良いところは、災害時に街どうしが協力して助け合えるという点だ。

さらにトイレトレーラーは災害時利用に最適化されているため、避難住民のストレスが少しでも緩和されるだろう。

避難者の生活を支えるために、あなたの街から助けあいの輪を広げてほしい。