東日本大震災が起きた直後、スーパーやコンビニから食ベ物が消えた。交通網はストップし、レストランや喫茶店も閉鎖された。

あなたが震災に遭遇したとき、このような危機的状況に見舞われるかもしれない。食べ物がすぐ手に入る状況ではないからこそ、常に準備する必要がある。

そこで「EDIBLE WAY」というプロジェクトを紹介したい。震災時の食糧難を解決する可能性を秘めているからだ。

「EDIBLE WAY」とは何なのか?

「EDIBLE WAY」とは、家の前やお店の前などの空いているスペースにプランターを置いて、地域の住民たちが野菜などの食べられる植物を育てるプロジェクトのことである。

持ち運び可能なプランター

プランターなので持ち運び可能であるため、場所が合わなければ移動させることができる。また「EDIBLE WAY」は35cm×35cm×45cmというコンパクトなサイズなので置けるスペースがあれば、どこにでも置くことができる。

許可さえおりれば、自宅やお店に限らずビルの屋上や公園にも置くことも可能だ。小学校の教員と児童が見学しに来た際に、子供たちが学校にも置くことを提案した事例もある。

空き地を畑に変身させる

「EDIBLE WAY」は取り組んでいる場所を畑に変わるようなものである。

アスファルトの上であれ砂利の上であれ、プランターを置いてしまえばそこは畑だ。使われていない空間は「EDIBLE WAY」で有効活用できる。

「EDIBLE WAY」のメリット

続いて「EDIBLE WAY」が持つ魅力に迫りたい。

街の景観づくりに

葉っぱのイラストと「EDIBLE WAY」のロゴが入ったプランターが特徴だ。

沿道におそろいのプランターを置いて近所の方たちと共同で育てれば、何もなかった道に新たな景観を造ることが可能である。

園芸気分ではじめられる

「EDIBLE WAY」はプランターで植物を育てる園芸活動のようなものだ。

何も特別な能力を必要としないため、水やりなどの世話さえできれば、子どもから大人まで誰でも気軽にはじめられる。

空き家がみんなで作って食べるコモンキッチンに

収穫した野菜を各家の食卓で消費するほか、地域の空き家に集まって、収穫物をみんなで食べる取り組みもある。

サラダバーや水耕栽培に関するワークショップを実施したりと、「EDIBLE WAY」は空き家再生にも貢献しているといえよう。

「EDIBLE WAY」が人をつなげ、街を救う


「EDIBLE WAY」は防災の面において活躍する。その理由を3つ紹介したい。

震災時の食料として

「EDIBLE WAY」を実践する街が増えれば、それだけ街に食料が増えることになる。

必要なときに食料が手に入る環境が整えば、震災時に食料に関する不安が減るだろう。

人とつながるきっかけに

交流する機会が減った地域社会にとって、「EDIBLE WAY」は人と人とがつながるきっかけとしてふさわしい。

プランター設置後に住民同士の会話が増えただけでなく、通りすがりの人がプランターに興味をもって住民に話しかける機会が増えたといった報告もある。

このように「EDIBLE WAY」はコミュニケーションの向上に役立っている。

防災意識を高め合える

地域ぐるみで「EDIBLE WAY」を取り組むことで、自然とコミュニケーションが生まれる。

このように地域に交流する場が作られれば、いざというときに助け合うセーフティネットを築けて、安心して生活できるコミュニティができあがると期待されている。

まとめ

「EDIBLE WAY」の取り組みが広まれば、震災時に襲ってくる食糧難を回避できるだろう。食の面だけでなく、人と人をつなぐ場づくりにも向いており、何より誰でも簡単に取り組める点が魅力的だ。

震災は個人の力では太刀打ちできないため、集団で力を合わせることが必要となる。「EDIBLE WAY」で普段から交流していれば、地域住民の存在は心強いに違いない。

まずは園芸の延長で「EDIBLE WAY」をはじめて、徐々に地域に広めていってはどうだろうか。

詳細はEDIBLE WAY公式サイトから。