災害について詳しく知りたいと思った時、近くにそんな災害について手軽に知る事ができる施設やセンターなどがあればいいのにと思った事はないだろうか。今回は、そんな災害について詳しく知りたい、そのための講演を聞きたいと考えている方のために、名古屋大学にある「減災館」についてご紹介する。

そもそも、「減災館」とは

画像:名古屋大学減災連携研究センターHPより引用

「減災館」は2014年に完成した施設で、2010年に発足した減災連携研究センターの本部でもある。減災連携研究センターは東海、東南海、南海地震の3連動地震発生時における対策、被害軽減、減災社会の構築のための戦略について研究する団体として発足したもの。社会連携部門と研究連携部門の2部門を核とし、マスコミやNPOと協力することで、減災社会の実現を目標としている。その減災社会の実現のために一般市民に開かれた施設、それが「減災館」である。

五感で体験!地震応答体感装置「BiCURI」

画像:名古屋大学減災連携研究センターHPより引用

一般公開されているのは1、2階と地下。特に、1階には五感で災害を体験できるコーナーがたくさんあるため、例えば「BiCURI(Bi-directional shaker and Computed Ultra-Response Integration environment)」という地震応答体感装置では、五感で揺れを体験することができる。2次元の長周期・ロングストローク振動台により、今まで再現する事ができなかった超高層ビルの揺れを再現すると同時に、地震時の室内映像を振動台の揺れと同期して表示。そのため、リアルな震災を体験することが可能だ。その他にも、「手回しぶるる」や「電動ぶるる」、「長周期ぶるる」といった模型によって視覚的に地震を体感できる装置など、30を超える体感装置がある。また、こういった装置などを詳しく解説してくれるギャラリートークが1日1回、13時半から30分間行われている。初めての方はこちらの方に参加するのがおすすめ。

他にも、1階には、講師の方が一般市民に向けた基調講演をするホールや、講師や専門家と交流できる「げんさいカフェ」というものがある。この「げんさいカフェ」は、月に1度開催されており、専門家などがゲストとして一般市民の様々な自然現象に対する疑問について答えてくれる交流の場。コーヒーを飲みながら、気軽に意見をかわし合うことのできる場として注目されている。最近は、4月に発生した熊本地震について、専門家と市民の間で熱い意見交換がなされている。

災害について知識を深めるなら2階「減災ライブラリー」へ

画像:名古屋大学減災連携研究センターHPより引用

2階は、災害についての専門書などを一般公開している「減災ライブラリー」。ここでは、図書館などで普通は見る事のできない専門書を読む事ができる。災害について知識を深めたい人にとっては魅力的な場所ではないだろうか。他にも、愛知県全体のハザードマップなども見る事ができ、震災についての詳しい知識、情報を得る事ができる。

そして、地下には、地震発生時の揺れを軽減する「免震装置」をみることができる見学スペースがある。また、この地下では地震を人工的に発生させ、実験を行う事もできるので、新しい技術を開発した場合に、それを試行することが可能だ。

災害を少しでも軽減するという目標を掲げる「減災館」。災害を体感し、専門家の話を直接聞くという体験はここでしか味わえないもの。ぜひ一度「減災館」に足を運んでみてはいかがでしょうか。開館時間は13時から16時と短く、基本的に休館日が月によって変わるので、開館スケジュールをご確認の上、来館してください。

減災館
開館時間:13:00~16:00
休刊日:不定期
公式HP:名古屋大学減災連携研究センター
住所:愛知県名古屋市千種区四谷通