災害が起こると建物が崩壊したり火事が起きたりと人が救助に向かえなくなる状況になる。このような状況下においてはロボットが非常に役に立つ。実際に東日本大震災の時の原発事故の影響で放射線量が高くなった場所や崩壊の恐れがある体育館といった場所への救助にロボットが活用された例が多く見られた。そこで今回は京都大学発の救助ロボット「FUHGA」を紹介する。

「FUHGA」は京大研究チームSHINOBIの熱い思いが詰まったロボット

京都大学公式HPより引用

「FUHGA」は京都大学 松野研究室に所属する学生チームが開発した人命救助ロボットだ。チーム名は「SHINOBI」。修士1・2年生の9名からなるチームだ。

「FUHGA」は阪神淡路大震災の発生を受けて始まった救助ロボットのコンテスト「RoboCup Rescue」への出場ロボットとして開発された。

「SHINOBI」は過去にも「RoboCup Rescue」に救助ロボットを出場させている。この「FUHGA」の名前の由来となったのは過去に救助ロボットコンテストに出場した2機の救助ロボットである「KOHGA3」と「FUMA」を足し合わせて「FUHGA」とした。過去に出場した救助ロボットの機能や思いを引き継いでいる。

「FUHGA」の特徴と操作方法

京都大学公式HPより引用

「FUHGA」の重さは42kg。サイズは横600×縦600×高さ250「mm」+アームの全長約1300「mm」となっている。搭載センサーとして光学カメラ(3つ),熱カメラ, 測域センサ,姿勢センサ, CO2センサ,マイクロフォンが付いている。それぞれ災害時に役に立つセンサーである。

「FUHGA」の操作にはパソコンとゲームコントローラーを使う。その際、手先カメラ映像・熱カメラ映像・前方カメラ映像・後方カメラ映像に加えて、それらの映像を3D処理したロボットCGモデルが表示される。

「FUHGA」の機能

京都大学公式HPより引用

「FUHGA」の機能は移動・作業・調査の3つだ。

移動について

「FUHGA」はブルドーザーのように移動する。バランスを保つために長いアームで重心を取ることで、災害時のデコボコとした地面でも難なく進むことが可能だ。

作業について

回転するアームとそのアームの先についたグリッパを器用に使ってものをつまんだり運んだりすることができる。

調査について

アームの先端についたたくさんのセンサが現在の状況を正確に把握して映像で操縦者に伝える。これにより人が入れない場所の様子を知ることができる。

「FUHGA」の今後に期待が高まる

京都大学公式HPより引用

「FUHGA」は前述のロボットカップ「RoboCup Rescue」2017年大会で優勝している。今後は原発事故への対処や災害時の救助などの用途への活用が期待されている。

さらにこの「FUHGA」を開発した研究チーム「SHINOBI」は今後のロボットの改良点として次のことを挙げている。

・軽量化や補強など、メカの改良
・移動やアームの制御の高度化
・地図作成機能の追加 etc…
(出典 http://www.kyotou.ac.jp/ja/research/events_news/department/kougaku/news/2017/documents/170506_1/01.pdf)

研究チーム「SHINOBI」は「FHUGA」の改良をおこない素晴らしい救助ロボットの開発を続けていくのだろう。「SHINOBI」と「FHUGA」の今後に注目だ。