「拭くだけボディ洗浄」という商品をご存知だろうか?髪から足先まで拭ける「水入らずのお風呂」として一躍注目を浴びたこの製品。SAIBO TECH 編集部は、そんな商品を販売している「株式会社 じゃがいも」の代表、神谷菜月さんと、妹の茉里さんにお話を伺ってきた。今回は、災害時にも役に立つ「拭くだけボディ洗浄」の魅力、さらにインタビューから見えてきた神谷さんの防災への思いをお伝えしたい。

きっかけは熊本震災!女子大生が「株式会社じゃがいも」を起業

「株式会社 じゃがいも」の代表取締役である神谷菜月さんは、1996年生まれの21歳(2017年5月20日時点)。名古屋市に位置する金城学院大学・国際情報学部の4年生だ。妹の茉里さんは淑徳大学でビジネスを学ぶ1年生で、起業当時はまだ高校生だった。

「株式会社 じゃがいも」は、「株式会社 FRASCO」の総代理店である。この「株式会社 FRASCO」は神谷さん姉妹のお父様の会社なのだそう。「株式会社 FRASCO」は、経営者であるお父様の、元美容師ならではの知識と視点から、お客様の髪にやさしい製品を追求・提供している。

起業のきっかけの1つとなったのも、支援物資を被災地に送るお父様の背中を見ていたことだという。そんな神谷さんが起業への決意を固めたのは、熊本震災の被災者インタビューを目にしたことだ。

神谷さん「熊本震災関連のテレビを見ているとき、避難所で生活をしている女性のインタビューが目に留まりました。その女性の「お風呂に入りたい」という一言を聞いて、起業を決意しました。」

その熊本震災の際には、父の化粧品の製造会社から被災地に、水のいらないシャンプーを200個が送られたそうだ。その後、神谷さんは県内各地で防災イベントなどに参加し、製品を紹介したり、化粧品実験教室などを行った。そして約1年後の2017年3月10日、父の会社の製品を販売する「株式会社 じゃがいも」の起業に至った。

「拭くだけボディ洗浄」「爽快シャワー」って?

画像:株式会社じゃがいもHPよりスクリーンショット

「株式会社 じゃがいも」が販売する商品のなかでも、とくに防災・災害時に役立つとされるのが「拭くだけボディ洗浄」と「爽快シャワー」だ。

「拭くだけボディ洗浄」は、水と石鹸なしで、頭から足先まで全身きれいに汚れを落とすことができる商品。タオルなどの布地に、「拭くだけボディ洗浄」を染み込ませ、お風呂で体を洗う際の要領で直接拭くだけと、使用方法もとても簡単。

日本人にとって「お風呂」は1日の疲れをリセットし、その日を締めくくる重要な癒しの時間。その大切な時間を、どんな状況、どんな場所でも気持ちよく味わってほしいという思いからこの商品は生まれた。

しかし、水のいらない製品は他の企業からも販売されている。では、「拭くだけボディ洗浄」を選ぶべき理由は何なのだろうか。

神谷さん「この商品は、エタノールや界面活性剤を使用していません。そのため、赤ちゃんやお年寄りにも安心して使っていただけます。さらに、災害時は怪我をされた方もいます。そういった方のお肌、傷にも優しいのです。」

画像:株式会社じゃがいもよりスクリーンショット

低刺激な成分を使用しているのは、子供やお年寄りだけでなく敏感肌の方にも魅力的。なおかつヒアルロン酸を配合しているため保湿効果もあるそうだ。さらに「爽快シャワー」は、「拭くだけボディー洗浄」に石鹸の香りがついた製品。全身を拭いた後に、石鹸の香りがふわっと香るため、リラックス効果も期待できる。

どちらの製品も、髪が長い女性の場合、頭から足先まで全身2回分、男性は全身2回半分使用することが可能だ。5年間保存できるため、いざという時のために備蓄できるのも嬉しい。

消費者のことを考えた商品展開と今後の展望

今年の3月に「株式会社 じゃがいも」を起業したばかりの神谷さんに、今後のビジョンを伺った。

神谷さん「できれば、各世帯に1つか2つ「拭くだけボディ洗浄」を置いていただきたいです。でもその前に、災害時の備蓄として市町村などに製品を置いてもらえるように頑張りたい。そのためにも、商品の重要性などを訴えていきたいと思います。」

神谷さんは、普段使い用や介護用など、水のいらないお風呂のさまざまな用途を提案している。しかし、防災用としての「拭くだけボディ洗浄」の役割は大きいように思う。

水道やガスといったライフラインの切断も予想される被災地において、ゆっくりお風呂に入ることは難しい。たとえ、温泉などが解放されたとしても、お年寄りや怪我人にとって混雑が予想される公衆浴場は危険すぎる。そこで、布団の中でも使用できる「拭くだけボディ洗浄」や「爽快シャワー」があれば、気兼ねなく体を清潔に保つことができるだろう。

こだわりは、使用する人にやさしい製品づくりだけではない。パッケージも、燃やしても環境にやさしいものを使用するなど、とにかく消費者・消費地のことを考え抜いているのだ。神谷さん姉妹の、使用する方のことを第一に考える姿勢も、お父様の背中を見てきたからこそなのかもしれない。

 

日本人にとってお風呂に入るという行為は、衛生面だけでなく精神的にも重要なことだ。災害時など、いざという時のために、「拭くだけボディ洗浄」と「爽快シャワー」の備蓄を検討してみてはいかがだろうか。