画像:OCRobotics公式HPより引用

震災はいつ起きるかわからない。もしかすると家でくつろいでいる今この時にも、倒壊した建物の下敷きになってしまうこともあるだろう。すぐに助けてもらえるなどと考えていても、がれきが多く救助が難航するといった事態は、往々にして起きる。
そこで今回は、がれきをものともせず、人間が入り込めない場所にも柔軟に入り込むことができるヘビ型ロボットの紹介をしよう。

品質の高いロボット

このヘビ型ロボットは、イギリスのOC Robotics社が開発した。同社は1997年の創立からヘビ型ロボットに特化して製造をしているため、高い技術力を持っている。

例えば、過酷な環境下での作業を想定しているため、一部が故障してもすべてがダメにならないよう、簡単に修理ができるように設計されてている。また汚染や損傷から守るスリーブをつけても動きに支障が出ないなど工夫が施されている。

ヘビ型ロボットの特徴


このロボットの特徴は、まるでCGのようなクネクネと曲がるボディ。3メートル以上の長さを持ちながらも、180度以上に曲がるという柔軟性を持ち合わせている。張り巡らされたワイヤーロープが、このクネクネしていてもしっかり保てる形状を可能にした。

一見、全体で動いているように思えるが、実はアーム部分のみが動く構造になっている。これによりモーターや制御システムを内蔵している本体は後方に置ける。そのため、本体が邪魔になる、損傷するといった心配がいらない。

また、ボディが伸縮することで狭い場所の移動や、専用ソフトウェアで遠隔操作もできるため、人間が危険を犯す必要がなくなり、安全に扱うことができる。

変化するヘビ型ロボット


市販されているカスタムパーツを組み合わせることで、検査からカメラによる探索活動、照明、レーザー切断など多くの作業が可能だ。その為、災害のみならず、原子力分野・航空宇宙分野・医療や建設現場といった幅広い分野で活躍している。

長さや直径もカスタマイズすることができ、直径を小さくすればより狭い場所、柔らかい障害物に対応でき、大きくすれば重いものを持てるなど場所やシチュエーションによって使い分けができる。

共通しているのは、人間が入ることが困難な場所での作業をサポートしていること。人間では難しいことをロボットで実現している。その汎用性の高さが、災害時の役に立っているのではないだろうか。

日本でも京都大学や東北大学など多くの所がヘビ型ロボットの開発を行っている。地震大国と言われる日本だからこその需要の高さなのだろう。多くの組織の技術が組み合わさり、ますますの進化・普及が期待されている。今後の展開から目が離せない。