現代社会において、子どもたちの生活からスマートフォン(以下、スマホ)は取り除くことができないものとなっている。また、いつ起こってもおかしくない南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、自然災害とは無縁ではいられない世代でもある。

そこで、スマホで防災感覚を身につけられるように、と開発されたアプリやWEB上のコンテンツをご紹介したい。

1. 幼児向け防災教育ゲーム「そなえもん」

画像:岐阜県より引用

岐阜県は平成23年度に実施した「保育所等防災体制強化事業」で「幼児向けの防災教育カードゲーム」を作成した。そして平成25年、そのカードゲームを題材としたiPhone用アプリとして「そなえもん」をリリースした。

実際に使用してみたところ、災害時の対応を「わざ」として、「わざをおぼえる」という、まるでゲームのようなコマンドを作ることで、防災について簡単に学べるようになっている。

「わざをおぼえる」の中では、例えば地震が起こった時は頭をかばって体を低く伏せる、ということを、キャラクターの体を上から下へなぞるようにスワイプさせるという行動で、感覚的に覚えさせようとする。他にも、怪我人がいたら電話をタップして通報する、台風が来たら窓とキャラクターを2本の指でタップする、などのようなアクションが全8種類ある。

このような学習要素だけでなく、2択や8択の中から正しいものを選ぶゲーム、スワイプやタップを画面上で再現するゲーム、友達とBluetoothで通信対戦が可能など、覚えたわざを使って遊べる「げーむ」もある。そしてクリアすると「ぼうさいぐっず」がもらえるなど、収集欲求を刺激して、繰り返し遊ばせる仕組みがあり、ゲーム要素は抜群だ。

また、情報がキャラクターのセリフやテロップといった、文字で表示される点も評価が高い。古風なBGMが流れるので音声ありでやっても面白いが、電車やバスの中など消音にしなければならない環境で遊ぶこともあると思う。音を出さなくともストーリーが展開されたり、解説が理解できる点は、移動中のすきま時間に取り組もうとするユーザーにはありがたい。

2. 「じしんだ!どうする?」-BabyBus 子ども向け防災アプリ

画像:iTunesから引用

「そなえもん」とは反対に、音声のあった方が理解しやすいのが「じしんだ!どうする?」アプリだ。画面の中で災害が起こり、その状況に応じて正しい行動を選んでいく。

例えば、次にタップするべきアイコンが強調されるなど、消音時でも正答しやすいようになっている。しかし、解説などは文字表示なく音声のみの場面もあるため、より深く理解しようとするならば、音声の出せる環境で遊ぶことが必要となる。

また、文字の出る場面では英語だったりと、防災以外の学習もできる。

3. iPad版防災教育用アプリ「スキナのセレク島」

画像:パステルハートPROJECTより引用


こちらはiPad用であり、なおかつ自分で作っていくことができるアプリだ。アプリを自分で作るというと難しく感じるが、○×(まるばつ)の2択のゲームを制作するという簡単なものだ。

始めのテンプレートとして、家にいる時に地震が起きたらどうするか、2択のうち正しい答えを選びながら避難場所まで行くゲームが入っている。また、自分たちで考えた防災○×クイズを作ることが可能であり、防災以外の○×クイズを作ることも可能である。

防災の知識を身につけられるとともに、創造力を育てることもできるアプリだ。

4. “もしも”に備える防災クイズ「地震だ!どうする?どーもくん」

画像:NHKより引用


NHKの人気キャラクターであるどーも君が登場する防災クイズコンテンツ「地震だ!どうする?どーもくん」。3択の中から正しい答えを選択することで、防災について学べる。文字が大きく、ふりがなもふってあるため、小さな子どもでも取り組みやすい。

今の子どもたちは、スマホで様々なことを学習していく世代だ。このようなアプリやコンテンツを用いて、お子さんと一緒に防災について学んでみてはいかがだろうか。