画像:KICKSTARTERより引用

建物の高層階で火災が起こってしまった場合の避難方法について、あなたは考えてみたことはあるだろうか。平成28年の総務省消防庁の調査によると、火災時に逃げきれず死亡したと思われる例が全体の46.7%と約半数を占めている。さらに、その中でも避難行動を起こしているが、逃げ切れなかったと思われるものが最多だ。

もし、非常口からの脱出ができない場合、窓から脱出するしかない。そんなとき、「Skyspider」という脱出器具を使えば、窓から安全に素早く避難ができる。

この記事では、「Skyspider」についてご紹介する。

「Skyspider」とは


「Skyspider」は、2016年に設立された香港のSkySpider Inc.が開発したものだ。
バックパックの中に巻き取り式の耐火ワイヤーが入っており、これを使うことによって窓から避難ができる。

使用方法は、まず「Skyspider」を背負い、ハーネスを装着する。あらかじめ壁などに設置した金具に、ワイヤーの先についている開閉できる部品がついた金属リング「カラビナ」を引っ掛ける。あとは、窓から脱出するだけだ。独自のブレーキ機能を備えており、片手で操作しながら安全に脱出が可能だ。

「Skyspider」は、巻き取り式の耐火ワイヤーを約90メートル備えているため、30階まで対応している。耐荷重は135kgで、秒速2メートルの速度で脱出できるという。

さらに、専用のサバイバルキットも付属しており、耐磨耗グローブ、脱出ハンマー、ガスマスク、LEDライトが入っている。これらをバックパックに入れておけば、避難時に役立つだろう。

「Skyspider」を備えておくとよい理由


火災が起こってしまったときには短時間で判断して、避難することが求められるため、装着して窓から脱出するだけの「Skyspider」が役立つ。

火災が起こったときに生存率を高めるためには、素早い避難が求められる。しかし、実際には、日頃から避難訓練していても被災時にはパニック状態になってしまうもの。また、非常口の前に大勢の人が殺到したり、アナウンスが不十分だったりなど逃げ遅れる要因はいくらでもある。こうした万が一のときに「Skyspider」を備えておけば安心だ。

まとめ

火災時の脱出方法として「Skyspider」は、迅速な避難ができるよいアイデアではないだろうか。窓から脱出するのは怖いが、九死に一生が得られるかもしれない。

クラウドファンディング「KICKSTARTER」での販売は既に終わってしてしまったが、今後の再販に期待している。