株式会社インバスケット研究所(本社:大阪・堺、代表取締役:鳥原隆志)は、東北大学 災害科学国際研究所 丸谷浩明教授の指導の下、「南海トラフ地震」を想定したシミュレーション教材「災害インバスケット」を2019年3月にリリースする。

緊急時の判断はトップでも難しい

地震などの緊急時、上司や本社に頼らず的確な判断を下せる社員は多くないだろう。2018年2月に中部経済連合会が実施した「企業の地震対策に関するアンケート」によると、大規模地震が発生したときの計画をすでに持っていると答えた企業は、15%程であった。地震発生時、どのように対応するか決まっていない企業が多く、判断に会社の管理職側も困っていることが伺える。「会社の管理職は素早く、的確な判断を下せる」とも言い難いのが現状ではないだろうか。

緊急時に管理職の判断が曖昧では、その下で働く社員も不安になるのではないだろうか。また、素早く判断を下せる企業の下で働きたいと思うだろう。そんな管理職のために役立つのが、このシミュレーション教材「災害インバスケット」だ。

災害インバスケットとは

災害インバスケットでは、パソコンを使って日常では想像しえない有事を模擬体験する。情報が錯綜する中、大きなストレス下においても、落ち着いて的確な判断ができるかを測定し、振り返ることができるシミュレーション教材である。

具体的なシミュレーション内容は、上記画像のような案件が実際のメールようにパソコンに届く。これらの案件を素早く、正確に判断し回答、最後に判断内容を振り返り、災害時の判断として適していたかを確認する。

本教材によって、日常場面では想定しづらい緊急時の対応を経験することができる。これにより、実際に災害が発生したときの管理職としての柔軟な対応力、判断力が身につく。

また、緊急時の対応ばかりでなく、防災の面でも企業単位で、「できていること」「できていないこと」を明確にし、災害が発生する前の計画にも役立てることが可能である。

まとめ

現在、日本では防災基本計画として企業防災の推進が図られている。企業は災害時に社員の生命の安全確保はもちろん、事業の継続や二次災害の防止、地域との連携が求められる。「南海トラフ地震」がもうすぐ来る、と言われ続けていることを見ても対策はすべきであろう。さらに緊急時の判断1つで、後の会社の信頼は大きく変わる。改めて、企業や管理職としての判断に自信をつけておくことが必要ではないだろうか。