過去の防災のニュースや事例から、今後起こりうる災害への対策を考えることは多い。しかしそのほとんどが、防災について考える機関や自治体から防災のいろはを学ぶだけで、自分たちで考える機会はそう多くはない。そこで今回紹介するのは、カルタで防災を学び、自分たちで防災を考えることができる「そなえるカルタ」だ。

今すぐできる防災活動「そなえるカルタ」って?

画像:ザ・パークハウスHPよりスクリーンショット

被災地の声や事例から防災を学ぶことのできる「そなえるカルタ」。これは、三菱地所レジデンスのブランド「ザ・パークハウス」の防災プログラムの1つだ。

「ザ・パークハウス」の防災プログラムは災害時に実効性が高く、そして自主的な行動促進が考えられたもの。1923年に発生した関東大震災から、三菱地所レジデンスが90年間培った防災のノウハウが詰め込まれている。

なかでも「そなえるカルタ」はただ防災について学ぶだけでなく、実際に家族内やご近所さんなど、自分たちで考える機会を与えてくれるツールだ。自治体のグループ内や、マンションの防災会議などで特に役立てられる。

カルタは、導入、トイレ、水、食料、防犯、医療などのカテゴリーに分かれており、それぞれ色分けされているので視覚的にもわかりやすい。さらにそれぞれの分野に、避難誘導班、医療班、生活班などと書かれているためコミュニティの中での役割分担もしやすくなっているのだ。

役立つ情報が満載の「そなえるカルタ」で災害に備える

画像:ザ・パークハウスHPよりスクリーンショット

「そなえるカルタ」の表面には、行動指標がかかれている。例えば「ゴミ」のカテゴリーの指標は「ごみ捨てのルールを決めておこう」、「情報」のカテゴリーの指標は「情報を取りに行きマンション内で共有を」だ。絵や写真、表などで、誰にでもわかりやすく見やすいものとなっている。

一方「そなえるカルタ」の裏面には、主に3つの事項が記載されている。1つ目は、気づかなかった事実や被災地での実際の事例だ。例えば避難に関する「導入」カテゴリーのカルタには、被災時は避難所が不足しがちなことが書かれている。2つ目の項目には、被災地のリアルな声が掲載されている。被災した方にしかわからない苦労や、やっておけばよかったことなどがカテゴリー別に知ることが可能だ。

3つ目の項目は、このカルタを利用する人への問いかけだ。避難に関するカルタの問いかけは、「避難所に行く?それともマンションにとどまる?」。実際に被災したときに出てくるであろう疑問や悩みを、事前に考え、話し合っておけば災害時に焦ることも少なくなるだろう。

使い方はいろいろ!「そなえるカルタ」の活用法

画像:ザ・パークハウスHPよりスクリーンショット

「そなえるカルタ」は実際にコミュニティ内で話し合うとき、1つ1つのカードが議題になる。さらに万が一に備えて、決めておく項目に沿ったカテゴリーから自然な流れでルールを決めていけるようプログラムされている。見やすいデザインの「そなえるカルタ」が、災害時には掲示板に貼るなどして情報伝達やルールの共有などにも役立つという利点もある。

また万が一の事態を想定し、被災時にどのような行動をとるのか問いかける「ジレンマカルタ」と併用して「防災計画書」を作成することも可能。マンションや地域住民のコミュニティ内で、「防災計画書」を話し合いで一から計画するのは非常に骨の折れる作業だ。そんなときに「そなえるカルタ」と「ジレンマカルタ」は議論の助けとなるだろう。

簡単にこれらのカルタの活用例を紹介すると、まず想定する被害状況を設定・共有。次に「ジレンマカルタ」の実際の被害を想定したクエスチョンを通じて計画の重要性を再確認する。そして「そなえるカルタ」の表面で過去の事例に驚きをもち、問いかけを通して問題に気づいたら、カルタの裏面で行動指針を決めるという流れだ。

 

「ザ・パークハウス」の防災プログラムが提供するこのカルタは、マンション内のコミュニティでの防災のためのものかもしれないが、防災を考える流れはどの大きさのコミュニティでも変わらないはずだ。「そなえるカルタ」は「ザ・パークハウス」内のページからダウンロードできるので、ぜひ防災計画づくりに役立ててみてはいかがだろうか。