2016年11月10日に福岡で「フクオカ・スタートアップ・セレクション」が開催された。この記事では、当イベントで特別講義をされた孫泰蔵さんが発表した、ユニークな都市構想「Popup Commons」を紹介したい。
「フクオカ・スタートアップ・セレクション」とは
その名の通り、福岡市にて行われた「フクオカ・スタートアップ・セレクション」は、ビジネスチャンスをつかむマッチングイベント。スタートアップ企業から大企業まで幅広い層の企業が一堂に会し、交流をおこなった。
2016年11月10日に行われた会のテーマは「防災×テクノロジー」。防災講義やビジネスセミナー、プレゼンテーションや交流会など内容も盛りだくさんだ。
そこで特別講師をされた方の一人が孫泰蔵さん。彼はスタートアップの創業支援や、運営サポートを行うMistletoe株式会社のCEOで、ご自身も起業家である。
ユニークかつ斬新な防災都市構想「Popup Commons」
孫さんが「フクオカ・スタートアップ・セレクション」の特別講義で発表した、「Popup Commons」という発想。それは、ユニークかつ大胆な防災都市構想である。
「避難所や避難生活を明るく楽しいものにしたい」という孫さんの思いから生まれた、「Popup Commons」。従来の避難所のイメージを覆す、ポップなイメージの場所を各地に設置し、それらの場所を災害時に機能させるというものだ。
現時点の構想で使用される予定なのは、コンテナ。都市部でもポップアップストアなどで活用されているコンテナは、どこにでも移動させられるのが最大の強み。
その特性を利用する「Popup Commons」では、通常時にはそれぞれのコンテナを住居やレストラン、お店として使用。コンテナによってつくられた普通の街として機能させる。そして、災害時にはそれらのコンテナを移動。被災地に運ばれ、支援活動や避難生活をサポートするというアイディアだ。
防災都市構想「Popup Commons」の最初の拠点は福岡?!
斬新な防災都市構想「Popup Commons」は、「フクオカ・スタートアップ・セレクション」での特別講義から一挙に注目をあつめた。
そんなアイディアを人が多く、法規制なども多い東京の都心部ではなく、あえて福岡から始める。一部の界隈で、ベンチャー企業やスタートアップ企業の盛り上がりがすごいと話題の福岡。田舎すぎず、都市すぎず。九州だけでなく全国から学生が集まる場所だからこそ、始められることがあるのかもしれない。
コンテナを使用し、移動可能な街として機能させる。そんな斬新なアイディアが福岡から始まろうとしている。今後も自然災害とうまく付き合っていかなければならない日本で、「Popup Commons」で作られた街が全国に出現するのも時間の問題なのではないだろうか。
避難所をイメージをポップなものにする、災害時のための移動可能な街づくり。そこには、さまざまな可能性があるように思う。そんな大胆かつユニークなアイディア「Popup Commons」。ボウサイとテクノロジーの情報を発信するSAIBO TECHとしても、今後の動向、展開に注目していきたい。