画像:Disaster.Data.govより引用

Disaster.Data.gov」とは、アメリカの災害に関する情報を誰でも閲覧・利用ができるウェブサイトである。これは、アメリカ政府が2009年に設立した、「Data.gov」という政府の基本的な情報が掲載されたウェブサイトの「災害部門」だ。

では、このサイトは一体どのようなもので、人々にどのように役立てられているのだろうか。

政府によるオープンデータサイトに注目

画像:Disaster.Data.govより引用

「Disaster.Data.gov」は、オープンデータを駆使して災害情報をアメリカ中に広めている。そもそも「オープンデータ」とはいったい何なのだろうか。

Wikipediaによると、「オープンデータとは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように、利用、再掲載されるような形で入手できるべきである、というアイデアである。」とある。

政府がもつデータを公開して、地方政府、自治体や、一般の人々に役立ててもらおうという活動は徐々に浸透している。アメリカ政府以外にも、イギリスの「Data.gov.uk」や、ニュージーランドの「Data.govt.nz」など、世界中の国と地域にウェブサイトが存在しており、各国の無数のデータをまとめたオープンデータのポータルサイト「DataPortals.org」まで存在する。これは言わば、世界のデータバンクだ。

日本でも、2011年3月の東日本大震災をきっかけにオープンデータの必要性が注目されたが、国家単位でのオープンデータサイトが設置されるまでには至っていないのが現状である。

災害の種類から自分の知りたい情報を簡単に

「Disaster.Data.gov」のウェブページには、「Type of Disasters」(災害の種類)、「Data」(災害データ)、「Get Involved」(参加する)、「Apps&Tools」(アプリとツール)、「Blog」(ブログ)、の5つのコンテンツが存在する。

「Type of Disaster」からは、災害別に自分が知りたい情報を見つけることが可能だ。現時点では、地震・洪水・ハリケーン・冬の天気・トルネード・山火事が挙げられていて、それぞれに情報をまとめたページがある。

画像:Disaster.Data.govより引用

次に、「Apps&Tools」には、災害に関連するさまざまなアプリケーションや、サイトがまとめて紹介されている。例えば、このページでは、災害の被害者が利用可能なガソリンスタンドを見つけたりるなど、生き延びるために役に立つアプリを見つけることが可能なのだ。

画像:Disaster.Data.govより引用

また、「Blog」のページには、「10 Things To Do for National Preparedness Month (国の災害準備月間にするべき10のこと)」や、「Calling Citizen Scientists: You Can Help When Disasters Strike (市民へ呼びかけ:あなたにもできることがある)」など、ブログ形式でさまざまな情報が存在する。ここは災害に対する備えや、「Disaster.Data.gov」の活動情報などに関する文章のまとめとなっている。

画像:Disaster.Data.govより引用

参加型で常に未完成のデータサイト

このサイトの特徴に、「Get Involved」のコンテンツに見られるように、政府が人々に参加を呼び掛けている点があげられる。これから起こりうる災害に対して、国全体で備えよう、力を合わせて立ち向かおうという意思の表れのように思える。

また、それぞれのコンテンツの一番下には「・More to come…(さらに追加あり)」という表示がされている。これは、今後増えていく情報や、あらたに得られたデータを加えることで、さらにこのサイトも進歩していくということだろう。

オープンデータを活用し、災害に備える

今回、アメリカのオープンデータサイト「Disaster.Data.gov」を紹介した。政府のオープンデータの災害に関するものをまとめたサイトだが、その中でもいくつかのコンテンツに分かれており、必要な情報を見つけやすい。更に、誰でもサイト内の情報を共有できる点で、役立つ情報をシェアすることができる。

データを活用し情報を共有することで、これから起こりうる災害に備える、起きた災害にうまく対応する。この政府の活動は人々の役に立つだろう。