災害時は自分自身や家族の安全確保が第一。そしてペットと暮らしている人にとっては、大切な家族の一員であるペットの安全確保についても、普段から備えておく必要があります。
今回はペットを飼っている方の防災に役立つ機能性アイテムを紹介します。
「キューブroom」でペットと一緒に避難する!
ペット用キャリーリュック「キューブroom」は、防災士が多数在籍する防災グッズメーカーのLA・PITA(ラピタ、代表者名:澤 直樹、所在地:四日市)が開発し、80年以上の歴史を持つ代表的な鞄メーカー、ACE(エース)社が製造を行った共同開発商品です。
リュックにケージ機能を搭載!
ペットリュックは一般的に売られていますが、ほとんどは移動のみを目的に作られています。
それに対して「キューブroom」は、“避難所生活”も送れるよう、ペットを運ぶ機能だけでなく小型〜中型ペット向けのゆったりしたスペースを確保する工夫が凝らされています。
正面前チャックの中に、ファスナーを閉めるだけで簡単に組み立てられるケージが収納されており、リュック本体とケージをファスナーで繋げることで、ペットと一緒におもちゃも入れられる広々とした空間を作れます。取り付けゲージ上部は閉めきりが可能で、ペットの飛び出しも防止できます。
災害時に役立つ便利な3WAY!
本体は“転がす/背負う/持つ”の3WAY式。
転がせば楽に移動ができ、足場が悪い時には背負って、とっさの時には持ってなど、状況に応じて使い分けができます。
災害時はいつもより路面の状況が悪くなっていることもありますが、直径9㎝、厚み3㎝の大きなタイヤを使用しているため、多少のデコボコ道なら転がしての移動が可能です。
“背負う”に切り替えた時、汚れたタイヤが背中に当たって服が汚れるのを防ぐため、タイヤにはカバーが装着されています。
キャリーハンドルは使う人や使用シーンに合わせて長さを2段階で調節でき、使わない時は本体へ折りたたんで収納しておけます。
ペットも飼い主さんも快適!
リュックの正面はジッパーで大きく開けることができ、ペットの出入りはもちろん、飼い主さんの掃除やお手入れにも便利です。
上面、左右側面に1カ所ずつ通気性のあるメッシュ素材を使用しており、中にいるペットへの換気はバッチリ。リュックの上部を開け、ペットが外を見れるようにしたまま移動もできます(飛び出し防止用Dカンつき)。
本体の左右には大きなポケットがついており、フード、ペットボトルの水、トイレ用品、首輪とリードなどさまざまなものを入れておけます。
肩の負担を軽減する分厚いショルダーベルトや安定させるチェストベルトがありー、夜の移動でも安全を確保できるよう、ベルトと本体を360℃ぐるりと囲むように反射材もついています。真上からも見えるので、災害時に上空ヘリからの発見にも有効です。
日常生活でも大活躍
普段の使い方としてペットを連れて外出したり、実家に里帰りなどの際、ケージがない場所でも役立てることができます。耐久性もあるので、グランピングなどアウトドア好きの飼い主さんのお出かけ時にはとても便利でしょう。
東日本大震災で見直されたペットとの同行避難
2011年の東日本大震災発生当時、避難指示区域ではおよそ16,500匹の犬と猫が飼われていました。しかし、飼い主さんとともに避難ができたのはわずか1,670匹。多くのペットは急な避難勧告に飼い主さんが対応できず置き去りにされてしまい、3000頭以上が犠牲になったと言われています。(「東日本大震災におけるペットの被災概況」,環境省)
これを受けて2013年に環境省は、大規模災害時には飼い主の責任でペットと同行避難することを基本とした「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を策定。現在では、ペットは避難所へ同行するのが原則となっています。
しかしながら、2019年の台風時には一部の避難所でペット受け入れ拒否が発生し、ペット連れの避難者から「避難勧告が出ても各地の避難所に入れない」という訴えが相次ぎました。
避難所側がペットを受け入れにくかった理由には、動物アレルギーの問題、他の避難者への理解(動物が苦手な人との住み分け)、鳴き声・衛生問題など他の避難者への配慮が難しい、などの問題が考えられます。
十分なスペースが確保できる避難所であれば、屋内で飼育が認められていたり、ペット専用係留場が設置されていたりしますが、それでもペットが暮らすスペースは限られていることが多く、ペット連れ全員を受け入れられるとはいえません。
また、飼い主さんの側も「災害時の同行避難」のことを知らず(「ペットのための防災対策に関する調査」アイペット損害保険株式会社,PRTIMES)、キャリーバッグを持っていなかったり、ペットの防災対策をしていなかったという問題もあるのが現状です。
このような状況を知ったLA・PITAが、防災グッズメーカーとして、飼い主さんの大切な家族を守り、避難の助けとなるような製品作るという想いから、キューブroomは生まれたそうです。
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」のプロジェクトページにて、製品情報などが公開されています。
まとめ
もしもの時に飼い主さんが同行避難するためには、ペットを日頃からキャリーバックやケージに入ることなどに慣れさせておくことが必要です。また、移動のことだけでなく避難した後のこと、万が一、避難所の受け入れケージが足りなかった場合のことも考えておく必要があるでしょう。
キューブroomなら普段の移動に使えるだけでなく、避難所でもペットのためのスペースを確保することができます。
お住まいの地域でペットの受け入れをしている避難所を事前にチェックした上で、大切な家族の一員であるペットの防災対策を考えていきたいですね。
参考:https://www.makuake.com/project/cube_room/