地震や台風といった自然災害の被害が多い日本では、防災・減災の重要性が高く、国民の意識も高いように思える。しかし、自治体に防災アプリがあるのを知って利用している人はどれだけいるのだろうか。

いつ起きるかわからず、普段の備えが重要な自然災害だからこそ、日々使用するスマホやタブレットに防災に役立つアプリを入れておくのは、いいアイデアだ。

しかし、防災関連アプリは非公式を含めるとかなりの数あり、いったいどれをダウンロードすればいいのかわからないという人もいるだろう。そこで今回の記事では、東海地方の防災アプリを3つほど紹介する。

1.「名古屋市地震防災アプリ」

名古屋市地震防災アプリより引用

「名古屋市地震防災アプリ」はいつでも見れる携帯版防災マップとうたっているだけあり、名古屋市における地震や洪水の被害想定情報、避難所や津波の際に避難できるビルといった、避難所情報が確認できる。さらに、観測雨量や河川水位、河川監視カメラの画像などの観測情報をリアルタイムに確認することが可能だ。

アプリを起動すると画面の上半分にカメラの映像が、画面の下半分には地図が表示される。その風景に震度や、津波や河川洪水の際の浸水深といった「被害想定情報」や「避難所情報」が合成され、表示される仕組みだ。

また、事前に地図データをダウンロードしておけば、災害時に通信機能が使用できなくなったとしても、この地図を利用できるため非常に役立つだろう。

2.「東海なび」

東海なびより引用

東海市の公式アプリ「東海なび」は、平成28年10月に配信が開始された新しいアプリである。しかしこれは完全な防災アプリというわけではなく、「イベント情報」や「ごみの分別の仕方」、「ごみ出し忘れ防止アラーム機能」といった内容盛りだくさんの東海市の生活情報アプリだ。

その中でも防災関連では「避難場所MAP」というものがある。避難場所MAPでは、東海市の避難場所の位置情報や住所を確認することが可能だ。防災に特化したアプリではないということで、まだまだ防災に関する情報は少ないが、今後に期待である。

3.「津ぅなび」

津ぅなびより引用

三重県津市の公式アプリ「津ぅなび」は3年ほど前に配信が開始され、津市の行政情報や観光情報も含まれているが、防災情報もしっかり確認できるアプリだ。

このアプリでは、災害発生時に津市のホームページと連動した避難情報などの緊急情報を知らせてくれるだけでなく、通信ができない環境でも避難所や津波避難ビルなどが確認できる「防災マップ」が利用できる。さらに、南海トラフ地震を想定した津波浸水予測図や沿岸地域標高マップも掲載されているため、自分で避難ルートを作成する際に役立つだろう。

全国の自治体にも防災アプリの開発に力を入れているところはあるが、その数は決して十分とは言えず、東海地方の自治体の公式防災アプリの数も少ないのが現状だ。地方自治体が公式の防災アプリを作れば、情報の信憑性の高さから利用者も増え、改良も重ねられていざという時に役立つはずである。

将来起こりうる災害に備え、今後多くの自治体が開発するだろう。自分が住んでいる地域の防災アプリに要注目だ。