Twitter(ツイッター)というのは、非常に便利なツールだ。ツイッターは、「ツイート」と称される140文字以内の短文を共有するウェブサイトである。パソコンやスマートフォン等からツイッターに自分のアカウントを登録すれば、だれでも自由に、自分の思っていることや、発信したいことを「フォロワー」と呼ばれる、ツイッター上で知り合いになっている人々と共有できる。それだけでなく、写真や動画、位置情報まで共有でき、ツイッターのアカウントを持つ人とならばサイト上でやり取りをすることも可能だ。

また、ツイッターは2016年9月には日本国内の月間利用者数が4000万人を突破するなど、多くのアクティブユーザーをもつウェブサイトとして、企業や団体の広告の場としても使われている。ユーザー数の多い日本では、Twitterの持つさまざまな特性を利用して防災のために役立てたり、災害時に活用しようという動きが活発だ。そこでこの記事では、そういったものをいくつか簡単にまとめようと思う。

フォローしておくべき公式アカウント5選

ツイッター上には、災害に関することを発信しているアカウントは多数存在する。そこでその中でも特に、普段からフォローしておけばいざというときに役立つ公式アカウントを5つ紹介する。

1.NHK生活・防災(@nhk_seikatsu)

このアカウントは地震や台風、大雨、大雪など災害に関する情報や、防災減災に繋がる情報を発信しているNHKの公式アカウントだ。全国各地の、特に注意すべき気象状況や、自然災害による事故状況を発信している。

2.ウェザーニュース(@wni_jp)

こちらは気象会社ウェザーニュースが提供するアカウントだ。こちらは最新お天気情報に加え、星空情報などを発信している。天気、台風、地震、津波などの幅広い災害の防災情報も満載なのが特徴だ。

3.内閣府防災(@CAO_BOUSAI)

このアカウントは内閣府(防災担当)の公式アカウントだ。災害状況や関連情報だけでなく、防災イベントの情報なども発信している。また他アカウントの関連ツイートをよくリツイートしている。

4.総務省消防庁(@FDMA_JAPAN)

こちらは大規模災害に関する情報や総務省消防庁からの報道資料等を提供している公式アカウントだ。リンク先ファイルの容量が大きいためパソコンでの利用を推奨しており、ツイートの頻度も他に比べると多くはない。

5.警視庁警備部災害対策課(@MPD_bousai)

こちらは警視庁の公式アカウントだ。注意報や警報が発令された際のツイートは対象地域が東京、関東の場合がほとんどだが、普段から注意しておくべき防災対策や生活に役立てられる情報が多数発信されている。

「キーワード検索」を活用しよう

ツイッターには検索機能がある。たとえば、「地震」と検索すればその言葉が含まれるツイートだけが表示され、これにはフォローしていない人のツイートも含まれる。よって、知りたい情報が得られそうな言葉を検索すれば、ニュースや報道だけでは知りえない情報を得られる可能性があるのだ。

たとえば、北海道の札幌市で震度5の地震が起きたと仮定。そこで被災地の人が「地震きた!揺れた!!」とか「震度5だって、どうしよう」「地震!でも無事です」などとツイートしたとする。そこでツイッター内で「札幌 地震」など検索すれば、そういったツイートが一覧となって画面上に現れるのだ。こういった機能をうまく活用すれば、被災地の人は避難状況や被災状況の中でも特に知りたい情報をダイレクトに集めることができる。

#ハッシュタグってなに?

ハッシュタグというのは「#」のうしろにキャッチコピーをつけた、いわゆる宣伝文句のようなものだ。例えば、ツイートの最後に「#拡散希望」や「#RT希望」といったハッシュタグをつければ、「このツイートを多くの人に見てほしいので、リツイートしてください。」の意になる。そしてハッシュタグはリンクになっており、「#拡散希望」をクリックしてリンク先のページに飛べば、同じように「#拡散希望」のハッシュタグのついたツイートだけが、フォローしている、していない関係なく表示されるのだ。

たとえば、強い台風が来て避難所に関する情報を発信、受信したいときは「#避難所」「#台風○号」「#△△町避難」などのハッシュタグをつけてツイートすればいい。そうすれば発信する側はフォローしていない人がそのツイートをみる確率も高くなるし、情報を得たい人は情報を持つツイッターユーザーからのリプライ(反応、返事)を得やすくなる。

また、大きな地震が来たときなどは世界の注目を集める。その際によく目にするハッシュタグに「#prayforjapan」がある。直訳すると、「日本のために祈る」となる。これは主に、被災状況をみた海外の人が思ったことや、ニュースの引用などをツイートする際につけることが多いハッシュタグだ。また募金活動をする時の広告などにもこのタグや、先述の「#拡散希望」のタグを使うことで、そのツイートを見る人を増やすことができるのだ。

 

アクティブユーザー数の多い日本で、ツイッターを災害時に役立てるというのは非常に有効なアイディアだと思う。しかし、インターネット上にある他の情報と同じで、嘘の情報や信憑性に欠ける情報もあるのが現実だ。過去にも、大災害が起きたときに、さらに被災地を混乱させる嘘の情報がツイッターから広まったという事件も多数起きている。

ツイッターは誰にでも簡単に使えて非常に便利なツールであるが、きちんと情報の真偽を見極めること、すべてを信じないことが重要だ。この記事を参考に、ぜひツイッターを防災、減災に正しく役立ててもらいたい。