災害時にご家庭で備えられるアイテムとして認知度の高い「ポータブル電源」。これまでに紹介してきた「PowerArQ」や「SuperBase V」のように、ポータブル電源といえばメカニカルで工業的なデザインが強く目立ちやすい傾向があります。そうした印象をガラリと変えるポータブル電源を、今回の記事ではご紹介します。

“家具”として暮らしによりそうポータブル電源「qb(キューブ)」

伝統工芸品の技法でインテリアとしての「美観」と「実用的な強度」を両立

やさしげな色合いと美しい木目調。見た人にスマートな印象を与える立方体の形。スツールや小ぶりなチェストのような見た目で、部屋の片隅に心地よくなじんでいます。

こちらが今回紹介するポータブル電源「qb(キューブ)」です。

本体の材料は天然木。福井県の伝統工芸品、越前箪笥の技法である「あられ組み」を使い、職人の手で一つ一つ丁寧に組み上げられています。

「あられ組み」とは、木の加工のみでものを組み立てる日本の伝統技術(指物技法)の中でも、非常に強度を高くできる木の組み方です。水分を吸うと膨らむ木材の性質を活かし、空気中の水分や接合部に塗布した接着剤の水分を材木に吸い込ませて強固に固定します。「あられ組み」は江戸時代から、タンスや米びつなど丈夫さが求められる家具作りによく使われてきました。

自然の木と家具の伝統技法で作られた「qb」は、従来の工業的なポータブル電源とはまったく異なる雰囲気があります。和の雰囲気にも洋の雰囲気にも溶け込み、生活の中に取り入れやすい印象です。

「qb」の使い方

「qb」は天板が簡単に取り外せる構造で、中に「幅292 x 奥行260 x高さ190mm」までのポータブル電源を入れることができます。

天板にはケーブルを通す穴。本体の中にあるポータブル電源からケーブルを出して、スマホを天板の上に置きながら充電できるようになっています。

ポータブル電源から充放電の際に発生する熱をこもらせないよう、本体には通気性を高める隙間の開いた小窓が付けられています。小窓はケーブルの接続口の扉として開けることもできます。

重たいポータブル電源を支えながらフローリングなどの床を傷つけずに移動させられるよう、底面の4隅にはウレタンゴム製のキャスターがついています。

もしもの備えを「いつも」の隣に

日常的に使い慣れておくことで非常時のトラブルを防ぐ

「qb」は“毎日の充電を美しく快適にし、災害の備えにもつなげる”という考えのもと生み出された新しい家具。「qb」のある環境では、電源であるコンセントに人が集まるのではなく、電源が人に近づいて寄り添ってくれます。

充電が必要になったらキャスターですぐ近くに電源を移動させられるため、コンセントの場所に縛られることがありません。延長コードも必要なく、配線のごちゃつきもによるストレスも減らすことができます。スマートなインテリアとして、リビングにも寝室にもあらゆる場面に置いておけます。

ポータブル電源を防災用電源として生活の中から切り離すのではなく、日頃から道具として使いこなす。そうすることで、いざという時にポータブル電源の充電がされていない、使い方がわからない、しまった場所がわからないといった問題が起きるのを防ぐことができます。1

「qb」誕生のきっかけとなったプロジェクトとは

暮らしのものづくり技術を現代に活かし続ける

日本の伝統技術を使った家具は、隙間がなく丈夫で長持ちするため、家庭の暮らしで重宝されてきました。しかし、現代は住居の様式が変化し、外国製品の市場進出や熟練技術者の高齢化などで伝統的な家具への需要が減少。かつてそれらを作ってきた職人たちの技術の継承が、全国各地で危ぶまれています。

失われつつある暮らしのものづくりに対し、福井県では、伝統を大切に伝える取り組みの一環として「F-TRAD」という、福井県が誇る7つの伝統工芸品を現代のライフスタイルに合わせてアップデートしていくプロジェクトを行っています。福井県の伝統工芸品には「鑑賞のための美術品」ではなく「暮らしのための道具」であるという歴史と特徴があり、その本質を現代の生活に合わせて再解釈するものづくりのプロジェクトです。

このプロジェクトをきっかけに、福井県越前市で家具、建具、小物を企画製作するファニチャーホリック(代表:山口祐弘)と、大阪府箕面市でリモートワークに便利なアイテムをセレクト・企画開発するドケットストア(代表:山下義弘)が、ポータブル電源と防災という新たな領域に挑戦して共同開発したのが「qb」です。

現在、「アタラシイものや体験の応援購入サービス Makuake」にて、2月27日(月)までプロジェクトページが公開されています。プロジェクト終了後はファニチャーホリックにて受注販売が予定されています。

まとめ

いざという時の備えは大切です。しかし万が一、その時が来て「使い方がわからない」となってしまうものは防災用品として適切ではないかもしれません。

「qb」は日常生活の中に違和感なく溶け込み、使いやすく、ポータブル電源という備えをより身近なものにしてくれます。

Makuakeのページではプロジェクト期間中、「qb」の早割購入ができます。興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

 



参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000115371.html、https://www.makuake.com/project/qb_furnitureholic/