夏休みが明け、9月になった。9月には「防災の日」があり、各学校などで避難訓練を行い震災が起きた時に備えている。しかし学校や職場ではなく家にいる時に災害が起きると可能性もある。なので家庭でもできる防災対策が必要だ。
今回は家庭内の防災のノウハウの紹介と、家族向けの防災イベントの紹介をする。
災害が起きた時は避難しないのが主流?
震災が起きた時の避難場所は、時代とともに変化してきている。
一般社団法人ダイバーシティ研究所とDCMホールディングス株式会社が共同で実施したアンケート調査では、2018年に発生した大阪北部地震・西日本豪雨・北海道胆振東部地震等により被災された世帯のうち、災害時に「自宅で過ごした」「親類・知人宅に避難した」との回答が全体の87%であったのに対し、「避難所を利用した」との回答が7%という結果であった。災害が起きた時、避難所にいるよりも家にいる人たちの方が多いという結果が出た。
では、災害に対して家庭での対策は万全だろうか。被災された方の90%超が防災用品を「用意していなかった」「用意していたが不十分であった」と回答。時代の流れに対して家庭では、備蓄をしていないことがわかった。
もし地震に備えてできる備蓄は…?
震災に備えてどのような備蓄をすべきであろうか。
農林水産省「食料の家庭備蓄をめぐる状況」によると東日本大震災が起きた際に
・スーパーで食料を調達できたのは、発災後、数日経ってから。
・避難所に地方公共団体の食料備蓄があったのは全体の3割程度。
などの事例があったと記録されている。つまり、数日間食料を備蓄しておかないと食事ができない可能性が大いにある。また、電気・ガス・水道といったライフラインが停止する可能性が非常に高いため、備蓄する食料にもこだわらなければならない。
しかし、必ずしも「備蓄」=「防災用の保存食の保管」と言うわけではない。普段の生活で使用するような食料品でも、工夫することで備蓄として活用できるのだ。このような考え方を「ローリングストック」と言う。
ローリングストックは、普段から少し多めに食材・加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法であり、日常生活で消費しつつ備蓄することできる。その為、いざ震災が起きた時でもいつも通りの食事ができ、ストレスが軽減できるだろう。
家庭できる防災イベントに参加しよう
「ローリングストック」という考え方を初めて知った人もいるかもしれない。こうした家庭向けの防災対策を学べるイベントが開催されている。備蓄ではない他の対策もあるので是非調べて参加してみてほしい。今回はイベントの中の一つ紹介する。
一般社団法人ダイバーシティ研究所が持つ経験や知見をもとに、最新の防災ノウハウ・防災用品を紹介するイベント「わが家で過ごす防災DIY~自宅避難の備え、できていますか?~」である。
このイベントは「ローリングストック」「ライフライン停止の備え」「室内の安全対策」の3カテゴリーで、もしもの時にいのちを守り、いつものくらしができるための防災知識・グッズの紹介をするイベントだ。
知識やグッズの紹介だけでなく、防災に関するアンケート・クイズに答えると、素敵な景品が貰える抽選会も開催。楽しみつつ防災について学べるので、親子で参加するのにもおすすめである。
8月以降は数カ月にかけて全国各地のDCM店舗で開催される。
このイベントは5月に札幌市、さいたま市で開催された。その時の参加者アンケートによると、86%の方が「本日のイベントで防災に対する関心が高まった」と回答。いつか来る震災のために一度家庭の防災を考え直してみてほしい。