世の中、ベジタリアンな人たちはいるが、私たちの多くは肉を食べて生きている。しかし、私たちの空腹を満たすために、どれだけの家畜が犠牲になっているかご存知だろうか。
また人口増加に伴って(文字通り、食べ物を入れなければならない口が増えるにしたがって)、生産が消費に追いつかない食糧難の時代がくると予想されている。
そうした環境の中、「天然」の食糧だけを口にして生きていくことは難しくなるかもしれない。現実として直面する前になんとかできないかと動いている団体のひとつがMemphis Meatsである。
なんと彼らは、動物性食品を使わずに、人工肉を作ることに成功したのだ(例えば大豆ミートなど、ベジタリアン向けに植物性食品から肉に見立てた食品は既に市販されている)
人工的に食肉を作り出すことができれば、家畜を育てなくても肉を食べることができることになる。生産のタイミングや賞味期限をコントロールすることができれば、災害時の非常食としても活用することができる。
Memphis Meatsとは?
人工的に作られたものなのに、本物の肉にしか見えない。動画を見る限り、味も美味しそうだ。
動物を使わない肉の開発のきっかけを、Memphisはこう記している。
We love meat. But like most people, we don’t love the negative side effects of conventional meat production: environmental destruction, animal welfare concerns and a slew of health risks.(Memphis Meats 公式HPから引用)
「私たちは肉が好きだ。しかし、多くの人は私たちのように、従来の食肉の生産についてネガティブな側面を案じている。それは、環境破壊、動物愛護、多くの人の健康被害だ」
Memphis Meatsの作り方は?
動物を使わない肉とは、どのように作られるのだろうか。
WHAT IS CLEAN MEAT?
Clean meat is delicious meat…
sustainably farmed from animal cells…
without slaughtering animals(Memphis Meats 公式HPから引用)
「クリーンな食肉とはどのようなものだろうか?
クリーンな食肉は美味しい…
動物の細胞から作られていて持続可能である…
動物のと殺なく生産可能である」
問題のひとつである、家畜の大量と殺(と殺とは、食肉にするために家畜を殺すこと)をすることなく、食肉を生産することができるという。しかし、その具体的な方法は示されていない。もちろん企業秘密であるかもしれないが、消費者が納得できるレベルの説明は企業としてするべきだと思う。
とはいえ、と殺を行わないという時点でかなり好ましいのではないだろうか。
Memphis Meatsの味はどうだろうか?
All 25 tasters called it “delicious”(Memphis Meats 公式HPから引用)
なんと25名の喫食者全員が「美味しい」と答えているとのこと。
肉を使っていないのに肉の味がする。なんとも不思議なことである。
市販されている食材として購入してきたら、焼いたり揚げたり、いろんなレシピに使えそうである。
Memphis Meatsは普及するだろうか?
もう少し詳細な生産方法を公開しないと、「得体の知れないものを食べさせられている」という精神的な壁は残るかもしれないが、人工的に作られる肉は世界的に普及する可能性を秘めている。
というのも、程度の差はあれ、どこの国でも食べさせなければならない口は増えていく、食糧難になっていくと予想されているからである。
そんな時に、動物も殺さず生産することのできる食肉は、大変貴重なものとなる。さらに、貯蓄して保存することができれば、災害時にも有用なものとなる。実用化に期待。