およそ1日あたり100件、14分ごとに1件起きているものが何かご存知だろうか。よく冬にアナウンスの車が通ることでも知られている、火災だ。総務省消防庁によると、去年2016年の一年間で、総出火件数は36,773件もあったそうだ。
火を消す手段は様々存在する。我が国にも消火器という人が使える消火手段は存在するし、各自治体の防災センターで消火器を使った初期消火活動の体験をすることができる。また、年に一回の防災の日があり、学校や企業など避難訓練の時間を設けているところも多い。
しかし、果たしてどれだけの人がきちんと消火器を使えるだろうか。どれだけの人が火が大きくなってしまう前に、初期消火を行えるだろうか。大切なものを失わずに守れる人がいるだろうか。
このボールを見て欲しい。
初期消火救命ボール「Elide Fire Ball」とは?
なんと、この「Elide Fire Ball」は誰でも簡単に初期消火を行えるアイテムだ。炎という、なかなか見る機会がないものに直面したとき、あなたは冷静に対応できるだろうか。とっさに消火器を探し、安全ピンを抜き、ホースを炎に向けて、レバーを握ることができるだろうか。
消火器をきちんと使おうと思うと、意外と手順が多い。そして慣れていない私たちにできるだろうか。
しかし、「Elide Fire Ball」なら投げ込むだけだ。炎に向かってボールを投げ込むということは、きっとある程度の年齢ならば子どもでもできそうだと思える。
炎に向かって投げ込むと、「Elide Fire Ball」が炎に反応して自動で発動。3秒から10秒で、8メートルから10メートルの範囲に粉末消火剤が拡散し、初期消火することができる。
なぜ自動で発動するのか?
フライパンから発火していても…真上に設置された「Elide Fire Ball」が発動して初期消火。
その内容物を調べてみた。
- リン酸アンモニウム(粉末ABC消火剤)
- 花火用火薬(起爆剤)
- ポリスチレン(外装ケース)
- ポリ塩化ビニル(外装フィルム)
と、とてもシンプルな材料で作られている。
炎に触れると、熱や衝撃に火薬が反応して、急激な燃焼反応を起こす。中の粉末ABC消火剤が飛び出し、初期消火活動となる。粉末ABC消火剤とは一般の消火器にも含まれている成分で、
- A火災は普通火災
- B火災は油火災
- C火災は電気火災
を表したものであり、すなわち3種類の火災に対応している消火剤ということになる。
「Elide Fire Ball」の何が有用なのか?
「Elide Fire Ball」のメリットを調べてみた。
- 大きさが直径15.2cm、重さ約1.5kgと女性や子どもでも扱いやすい
- 「ボールを投げる」という簡単な動作で初期消火ができる
- 炎を感知すると自動で発動する
- 作動時には約120db(ジェットエンジンの近く)の大きな破裂音が発生し、人のいないところで作動した場合に、離れた場所にいる人にも火災の発生を知らせる警報機としても利用できる
- 保管期間が製造日から約5年間と長期である
- 期限が切れたものは、「Elide Fire Ball」全体を水に浸し、起爆剤を水に浸けたら一般の可燃ゴミとして廃棄することができる
- 粉末消火剤(リン酸アンモニウム)は土に混ぜると肥料になる
「Elide Fire Ball」をどう使ったら良いか?
炎に投げ込むだけでなく、
- コンセント発火防止にコンセント上部に設置する
- ストーブなど火器使用時にそばに置く
- 車両事故による炎上に備えて、車に積んでおく
- 廃品回収の新聞紙や雑誌への放火防止のために、回収場所の付近に設置する
- 飲食店や調理場の火の回りへ設置する
様々なシーンで火災防止に役立ちそうだ。
よくある質問
誰しも、普段の生活の中に火薬を置いておくことは怖いと思う。この質問に対して、初期消火救命ボール普及協会はこう答えている。
Q. 保管中に誤動作することはありますか?
A.初期消火救命ボールは炎に触れることで着火し作動します。人間が生活する通常の温度環境下で誤動作することはありません。
なお、本製品は粉末消火剤、花火用火薬を使用しております。そのため、本製品を水に浸したり、常に蒸気にさらされる極度に湿度が高い環境下で保管しないでください。
(初期消火救命ボール普及協会より引用)
確かに夏になると各所で花火が売られているし、その花火が暴発したという話はなかなか聞かない。むしろ湿気ってしまった場合、いざという時に使えないので保管状態には注意したい。
日本での取り扱いは?
実はタイ生まれの「Elide Fire Ball」。輸入元が茨城県にあり、日本各所で取次店が増えつつある。気になる方は初期消火救命ボール普及協会まで問い合わせを。