自然災害などでライフラインが途絶えてしまったときに困るのは、トイレやお風呂、冷暖房、そして食べるものだ。今回紹介する「Go Sun Stove」の製品は、ガスなどの燃料を一切必要としない調理器具である。「Go Sun」と食料さえあれば、非常時でも普段と変わらない食事ができるのだ。

燃料がいらない調理器具「Go Sun」とは?

画像:Go Sun Stoveより引用

「Go Sun」の特徴は大きくわけて3つである。まず1つ目は「使いやすさ」だ。食料をトレイに乗せておくだけで「Go Sun」が勝手に調理をしてくれるので、手間もかからない。組み立ても、分解も簡単ですぐに持ち運びも簡単な荷物になる。

2つ目は、ガスや炭などの燃料を使わずとも太陽光の力だけで調理が可能なことである。燃料いらずで環境に良いことはもちろん、低コスト。さらに火を扱わないので安全なのもうれしい。太陽光だからといって侮ってはいけない。たった20分という短時間で290度に達するのだ。

3つ目の特徴は、調理法に制限がない「万能性」。焼く、蒸す、揚げる、茹でるなどさまざまな調理方法が可能である。さらに「Go Sun」を縦にすることもできるため、飲み物やスープといった液体を温めることもできる。

「Go Sun」の仕組みと使い方

画像:Go Sun Stoveより引用

「Go Sun Stove」の技術の中核となっているのは、「ソーラーバキュームチューブ」だ。「ソーラーバキュームチューブ」は完全に近い絶縁体で、困難な状況でも調理を可能にするものである。

簡単に説明すると、羽のように開いた銀色の板で様々な角度から太陽光を受け、その反射を中心の核に集める。この技術により、「Go Sun Stove」は曇りなどの悪天候でも調理を可能にするのだ。

中心に集まった太陽光熱を「ホウケイ酸ガラス」という温度や高度を高めた、一般のガラスに比べて熱衝撃に強いガラスで閉じ込める。その中心核の中に専用のトレイに乗せた食料を入れることで、短時間で効率的な調理を可能にしたのが「Go Sun」の調理器具シリーズなのだ。

「Go Sun」の調理器具シリーズ

画像:Go Sun Stoveより引用

まず、「Go Sun」シリーズの最初の製品は「GOSUN SPORT」だ。最も基本的なモデルで、重量も2.4キログラムと非常に軽量である。この調理トレイは1つにつき2人分の食事を作ることを目的としていて、焼く、ローストする、蒸すといった調理方法が可能だ。それに、調理トレイが2つと持ち運びをさらに簡単にする専用バックがセットになったものが「GOSUN SPORT PRO PACK」だ。

「GOSUN GRILL」は「GOSUN SPORT」よりさらにどっしりとした見た目で、「GOSUN SPORT」のように片手で持ち運ぶことはできない。しかし揚げるという調理方法も可能になるうえ、1度に4人分以上の調理が可能である。

さらに、「GOSUN SOLAR DOGGER」というホットドック専用の調理器具まである。これを使えば太陽光だけで、しかもたった10分でホットドックを焼き上げられるのだ。これにも「GOSUN SOLAR DOGGER PLUS」という持ち運び用バッグや掃除用ブラシなどがついたセットもある。

また「GOSUN STATION COMMERCIAL SCALE SOLAR OVEN」は「GOSUN SPORT」が4つ並んだようなものだ。これで1度に8人分の料理が作れる。さらに、高さはあるが横には大きくないので場所も取らない優れものだ。

どれも仕組みは同じだが、スペックや用途が少しずつ異なる。それぞれの家庭や使い方に合わせて購入を考えるといいだろう。

 

太陽光だけで調理が可能で、持ち運びも簡単な「Go Sun」シリーズの調理器具。燃料がいらないので環境にも優しく、安全なコンロということで、災害時以外にもバーベキューなどで使うことができそうだ。普段から非常時にも役に立つものを使っておくのも防災訓練の1つになる。1つ家庭に用意してはどうだろうか。