地震が収まっていざ外に出ようとしたとき、そのドアが開かなかったら?もしもその場所から連絡がとれなかったら?閉じ込められた室内で火事が起きていたら?そう考えると、被災時にドアが開かないという状況は本当に恐ろしく、危険だといえる。今回は、災害時に室内に閉じ込められてしまうという二次災害を防止するために有効な製品、「アケルくん」を紹介する。

少しの歪みが命取り!震度6強で多くのドアが開けられない可能性も

「アケルくん」を制作した株式会社西三によると、震度6強で多くのドアが開閉不能になる。というのも、地震の揺れによりドア枠の歪みが1㎝になるとドアと干渉して、開けるには100㎏もの力が必要となる。この段階でもほとんどの子供や女性にはドアを開けることは不可能だろう。

さらに震度6強の揺れで歪みは1.7㎝になると想定され、その場合ドアの開閉には200㎏という、とても人力では及ばない力を必要とするという。

1階に窓がある住宅ならともかく、アパートや高層マンションにおいて被災時にドアが開かないというのは非常事態だ。数時間閉じ込められたり、火災が発生する可能性を考えると、とても落ち着いてなどいられない。

そんな状況に陥るのを防ぐためにおすすめなのが、震災時にドア枠が変形したとしても脱出可能にする製品「アケルくん」だ。

貼るだけで耐震に!「アケルくん」の仕組み

画像:株式会社西三公式HPより引用

「アケルくん」は特殊加工を施したプレートだ。専門業者による工事が必要だが、これをドアに取り付けるだけで既存のドアが耐震ドアに変わるため、施工も簡単といえる。

なだらかな山形となっている断面が特徴のこのプレートを取り付けるだけで耐震ドアにすることを可能にするのは、「株式会社西三」の特許技術だ。この技術で、面内変形や局部変形に対応できるようになっている。たとえドアが歪むような大きな変形だったとしても、ドアと枠の間に低摩擦材が取り付けてあるため、より小さな力でもドアを開けることが可能になるのだ。

通常、既存のドアを耐震のものするには、本体や枠そのものを交換したり、特殊な器具を取り付けねばならないためコストがかかる。一方、「アケルくん」はプレートを取り付けるだけなのでより安価に耐震ドアに変更できるのも魅力である。

あなたの家やオフィスのドアは大丈夫?「アケルくん」で地震に備えよう

いつどこで起きるかわからない地震が発生した際、室内にいればどのドアも出口につながる非常口になりうる。もし地震でそのドア枠やドア本体が歪み、外に出ることができなかったら…。実際に、過去の震災では各部屋のドアが開かなくなってしまったマンションに複数人が閉じ込められるという事案も発生している。

普段からいくら災害に備えて準備をしていたとしても、実際に安全な場所へ避難できなければ意味がない。「株式会社西三」によると「アケルくん」を装着していたドアで実験した場合、震度6強で被災した場合を想定した1.7㎝の歪みでも6.12㎏の力でドアを開けることができたという。

「アケルくん」を取り付けるには専門の業者による工事が必要だが、なによりも命には代えられないだろう。

 

いざというときのために、「アケルくん」の取り付けを検討することをおすすめしたい。