地球に暮らすうえで、地震、洪水、台風、異常気象といった自然災害は避けられない。台風のように、ある程度発生場所や影響が予測しやすい災害もあれば、地震のように、いつ、どこで起きるかわからない災害もある。防災技術は年々進化してはいるものの、できれば自然災害の少ない場所に住みたい、と思うのは当然だろう。

そこで、この記事では2016年に自然災害が多かった国TOP5をまとめてみた。

日本は災害が多い国?

自然災害発生数のランキングについて考えるとき、「日本はかなり上位に位置するはず」と思う人は多いだろう。2011年の東日本大震災も記憶に新しいし、昨年も熊本地震が発生するなど、国の面積が小さいわりに地震の発生件数が多いからだ。揺れが体感できないくらいの規模の地震なら、毎日のように起きているといっても過言ではない。

さらに1年に4つの季節がある日本では、夏から秋にかけての台風や、梅雨時期の大雨による洪水など毎年のように起こる自然災害に苦労しているし、異常気象の発生数は、地球温暖化などの影響もあってか年々増加しているようにも感じる。では実際のところ、日本の自然災害の発生数は世界の国々と比べるとどれくらいなのだろうか。

2016年の国別、自然災害発生数ランキング

EM-DATという世界の災害に関するデータベースがある。そのウェブサイトの中にあるCountry Profileを使用し、2016年度の自然災害を国別にまとめてみた。その結果、2016年度の自然災害発生数ランキングは、1位 インド(17件)、2位 アメリカ合衆国(16件)、3位 インドネシア(13件)、4位 中国(10件)、5件 日本、パキスタン(9件)、という結果になった。

画像:EM-DATより引用

内訳は、1位のインドが、洪水8件、地震1件、土砂滑り2件、山火事1件、台風3件、干ばつ1件、異常気象1件。

2位のアメリカは、洪水5件、地震1件、山火事1件、ハリケーン9件。

3位のインドネシアは、洪水8件、地震3件、土砂滑り2件。

4位の中国は、洪水4件、土砂滑り2件、台風4件。

5位の日本は、洪水1件、地震3件、台風4件、異常気象1件。

同じく5位のパキスタンは、洪水7件、地震1件、台風1件である。

 データから災害を予測し、備えを万全に

小さい自然災害も含めると、データに誤差はあるかもしれないが、EM-DATによる集計では上のような結果になった。細かくみると、2位のアメリカ以外はアジア圏であり、6国とも北半球に位置している。そして、1番発生件数の多いインドは17件と、1か月に1回以上災害に見舞われていることになる。震度1や2の小さな地震などが含まれていないので、日本の順位は5位である。それでも、世界に200近く存在する国々の中で5位という結果は、「日本は自然災害が多い国」というのに不足ないであろう。

TOP5の国々以外のデータを見ると、自然災害の内容は洪水が多い、干ばつが多いなど、地域によって特徴がみられる。日本のようにプレートの境目上に位置する国や、火山帯がある国は地震が多い。天気のように自然災害を詳しく予測することは難しいが、こういったデータや過去の事例をもとに、起こりやすい自然災害や長期的な予測と対策を行うことは可能なのではないだろうか。

ちなみに、世界全体の自然災害発生数をまとめたものは「災害件数2016 国別」である。

最後に

今回は2016年度の自然災害の多い国をまとめたが、常にこれらの国がTOP5だとは限らない。自然災害は地球上どこでも起こりうるし、昨年発生件数が0件だからといって安心していいわけではないのだ。自分が住んでいる地域はもちろん、旅行先などで災害にあってしまったときの備えも重要だ。

我々人間は、地震や、異常気象などの自然の猛威の前に受け身でいるのではなく、こういったデータや過去の被害から学んだことを活用してこれからいつ起こるかわからない災害に備えなければならない。